2019年04月06日

ザ・ピーナッツ「スターダスト」



You wander down the lane and far away
Leaving me a song that will not die
Love is now the stardust of yesterday
The music of the years gone by

Sometimes I wonder why I spend
The lonely night dreaming of a song
The melody haunts my reverie
And I am once again with you
When our love was new
And each kiss an inspiration
But that was long ago
Now my consolation
Is in the stardust of a song

Beside a garden wall
When stars are bright
You are in my arms
The nightingale tells his fairy tale
A paradise where roses bloom
Though I dream in vain
In my heart it will remain
My stardust melody
The memory of love's refrain


前回のザ・ピーナッツの記事では1959年の「情熱の花」を取り上げました。
今回は「スターダスト」です。

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この歌はザ・ピーナッツのオリジナル曲ではありません。

原曲はホーギーカーマイケルというアメリカの作曲家の作品です。

ピアニストの母を持つホーギーは
1899年にアメリカで生まれます。

6歳からピアノを始めてはいましたが家庭が裕福ではなかったため
バイク工場や食肉工場で働くことになります。

18歳になると音楽でお金を稼ぐようにもなりました。
27歳で弁護士の仕事をいったん始めましたが
すぐにやめ音楽の仕事に戻ってきます。
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そんな彼が翌年1927年、
28歳の時作曲したのがこの「スターダスト」

多くの再録音がされたため
どれがオリジナルなのか不明ですが
多分これが一番最初のオリジナルバージョンです。

Hoagy Carmichael「Stardust」


1929年にはミッチェル・パリッシュにより歌詞がつけられ
多くの歌手に歌われるようになりました。

スタンダードナンバーとなりましたので多くの歌手が歌っていますが
ナットキングコールの歌唱は別格にすごいなあ、と思います。

Nat King Cole「Stardust」

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歌の誕生から33年後、
日本では1960年にザ・ピーナッツによって歌われましたが
この歌はシングルカットされませんでした。

当時、相変わらず洋楽のカバーは人気で
1959年にデビューしたザ・ピーナッツも初期はオリジナルを出していませんでした。

渡辺晋率いる渡辺プロダクションは
人気が出始めたザ・ピーナッツにおける大事業に乗り出します。

1961年6月に「シャボン玉ホリデー」という番組を日本テレビと作ります。

メインはザ・ピーナッツ。
その他の出演をクレイジーキャッツや坂本九など
渡辺プロやその関係事務所のタレントで固めました。

1961年7月に「モスラ」という映画が公開されました。
ザ・ピーナッツも出演し有名な「もすっらーっやっ、もすらー」という
実際モスラより印象的な挿入歌を歌うことになります。

ザ・ピーナッツ「モスラの歌」


また主題歌も「インファントの娘」という初のオリジナル曲をリリース。
作詞作曲が「池すゝむ」となっていますが・・・・

はいはい、いつも通りの「音羽たかし」パターンであります。
「池すゝむ」とは渡辺プロの「渡辺晋」であります。
渡辺晋の名前は「しん」ですが「すすむ」とも読みます。
「行っけー!すすむー!」ということなんでしょう。

ザ ・ ピーナッツ「インファントの娘」


アレンジはずっとザ・ピーナッツの師でもある宮川泰です。

ちょっと横道にそれましたね、すみません。
「スターダスト」は「シャボン玉ホリデー」の最後に歌われた歌でした。

もともと洋楽のカバーでもあり、
さあこれからオリジナルを出してザ・ピーナッツを大スターにしていくぞ、
というタイミングで「スターダスト」をシングルカットする意味は
渡辺プロダクションとしては無かったのでしょう。

ザ・ピーナッツバージョンは単品ではアマゾンでも買えないようですね。
動画サイトにありましたらありがたく拝聴しましょう。

もしくはこちらのベストアルバムなら
「スターダスト」「モスラ」も色々入ってます。
ザ・ピーナッツトリビュートアルバムに合わせて発売されたものなので
またすぐに絶版になると思われます。
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1959年から1963年にかけて
アメリカで放送されたテレビ映画の西部劇「ララミー牧場」は大人気で
日本でも1961年4月から放送され有名になりました。
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そのキャストの中に60歳になったホーギーカーマイケル
俳優として出演していました。
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1961年11月「ララミー牧場」のプロモーションで来日したホーギーは
偶然ホテルで「シャボン玉ホリデー」を観て
エンディングで33年前に自分が作った「スターダスト」がかかると
それはそれは嬉しい驚きだったそうです。

すぐに放送局に連絡を取り
11月のシャボン玉ホリデーに出演。
ホーギーカーマイケルの伴奏でザ・ピーナッツが歌うという
まさに神回があったようですが動画は発見出来ませんでした、残念。

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ザ・ピーナッツバージョンは最初の段落を省略していますので
本来のフルバージョンを訳してみます。

And now the purple dusk of twilight time
そしてこの夕暮れ時、紫色の夕闇が

Steals across the meadows of my heart
僕の心の草原とゆっくりと重なっていく

High up in the sky the little stars climb
小さな星たちが空高く昇り

Always reminding me that we're apart
僕らがお互いに遠い存在になってしまったことを思い出させる


You wander down the lane and far away
君はどこを彷徨ってるというのだろう

Leaving me a song that will not die
永遠に忘れられない歌を残したまま

Love is now the stardust of yesterday
今、愛は過ぎ去った過去の星屑となり

The music of the years gone by
音楽はその過ぎ去った過去を奏でる


Sometimes I wonder why I spend
時々僕は不思議な気持ちになるんだ

The lonely night dreaming of a song
歌を思い出しながらなんで寂しい夜を過ごしてるんだろう

The melody haunts my reverie
メロディは色んな思い出を呼び起こす

And I am once again with you
そして僕は昔みたいに君と一緒にいるんだ

When our love was new
僕らはまるでまた新しい恋に落ちたみたいだ

And each kiss an inspiration
そして自然にキスをする

But that was long ago
でもそれは遠い過去のことだった

Now my consolation
Is in the stardust of a song

今は僕を慰めるだけの星屑の歌なんだ


Beside a garden wall
庭の片隅で

When stars are bright
星がきれいに瞬くとき

You are in my arms
君は僕の腕の中さ

The nightingale tells his fairy tale
ナイチンゲールは夢のようなおとぎ話を話をして

A paradise where roses bloom
バラが咲き乱れる楽園

Though I dream in vain
そんな僕の夢は意味のないことばかりだけど

In my heart it will remain
僕の心の中にはずっと残っていくことなんだ

My stardust melody
僕の星屑のメロディは

The memory of love's refrain
ずっと繰り返す愛の記憶なんだ
(和訳:スナフキン兵長)

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私は楽曲としては原曲を超えるカバーはなかなかないと思います。

例えオリジナルが稚拙な演奏歌唱であってもその背景と想いがあり
上手に歌ったり機材が良くなったりすることで
そこを超えることは難しいんじゃないかと思うのです。

しかしコーヒールンバのようにそれが別のものとして
その国の文化に根付いていくことは
音楽として全然ありなんじゃないかと思っています。

そこから生まれる想いや新しい芽も音楽の一つじゃないかと思っています。

玉置浩二「愛の賛歌」(1:30過ぎからは別の歌になります)

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「Hymne à l'amour」ではなく
子守歌としてお母さんの歌う「愛の賛歌」で育ったといいます。

近年の玉置浩二のバージョンは誇張しすぎて好きではありませんが
この頃のは唯一私が好きな「Hymne à l'amour」のカバーです。
大変素晴らしいです。

「群像の星」は良いカバーアルバムなので丸ごとおすすめです。
「時代おくれ」もほんといい出来です。

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同じようにこの「スターダスト」をザ ・ ピーナッツの歌として
今も感慨深い思いで聴く人も多いんじゃないでしょうか。

皆さんと同じように「シャボン玉ホリデー」を見ていた少年がいました。
小6でギターを買ってもらいギターを練習していました。
1960年当時中学一年生。

毎週流れる番組のエンディング「スターダスト」を聴いていた彼は
ホーギーカーマイケルのファンになり聴き漁ったようです。

Hoagy Carmichael「Hong Kong Blues」

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その「シャボン玉ホリデー」を見ていた少年は
16年後の1976年、「Hong Kong Blues」をカバーすることになります。

細野晴臣「香港ブルース」

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この話はまたいつか


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posted by スナフキン兵長 at 17:48| Comment(0) | ザ・ピーナッツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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